willingwork株式会社の守田です。
先日の基準地価の発表がなされました。例年この時期になると目にする記事で、秋が来るなと感じています。
今回は基準地価を踏まえながら、不動産を相続する際の注意点について説明します。
そもそも、土地の評価とは?
土地は一つのものに対していろいろな評価があり、主な評価である四つを抜き出し「一物四価」とも呼ばれています。以下の資料を参照してください。
では、ここから本題が本題です。
上記の通り、一つのものに対して四つの評価があると不動産の相続対策はどれを基準にするか、またどのように公平感を保っていくのかを考える必要があります。すなわち、不動産の相続はややこしいとなってしまいます。
事例
Aさんの相続人は長男と長女の2人です。
Aさんが所有している土地は長男と一緒に住んでいる土地(330㎡・路線価100千円)と空き地(120㎡・路線価55千円)です。
Aさんはこう考えました。相続税評価で考えると、自宅の土地も空き地も評価が同じだから長男には自宅の土地を、長女には空き地を渡せば揉めない、と。ここには大きな落とし穴が潜んでいます。そう、相続税評価額と実際に売買する際の評価額(基準地価や公示価格)で評価した場合には大きな差が生まれるのです。
上の図から、ただ単に土地を一つのものとして承継方針を考えると相続される側の評価に大きな差がある可能性があります。これが「不動産の相続はややこしくなる」と言われる所以でしょう。立地の良い不動産を取り合ったり、活用しにくい不動産を押し付けあったりして揉め事になる可能性もあります。
揉めないための施策とは?
① 遺言を作成して、不動産の承継先だけではなく金融資産の配分も指定する
② 付言事項を活用して、他者への理解を求める
上記のケースでは、長女に金融資産を多く相続させることなどによって長女の取り分を増やす対策をすることが有効です。また、生命保険の活用や生前贈与なども有効になる可能性があります。
金融資産での調整が難しい場合には付言事項の活用により長女に一定の理解を求めることも必要でしょう。
いかがでしたか?不動産は一つのものと考えるより、その評価を把握しながら対策していくことが必要です。
また、その評価もさまざまなものがあり、引き継ぐ人のことを考えながら対策をする重要性が理解していただけたと思います。
私たちは過去2,000件超の相続相談に対応してきました。さまざまな事例をもとに、お客さまに最適となりそうな対策を一緒に考えていきます。不動産所有者の皆様、一度考えてみてはいかがですか?