willingwork株式会社の守田です。
いきなりですが、皆さん自分の戸籍を見たことはありますか?
私は結婚した直後に自分の戸籍を取得したことがありますが、それ以外では見たことがありません。必要な場面が限られているので、なかなかみる機会がないでしょう。
そんな戸籍に関して、「読み仮名を記載する」という流れになるようです。
名前の読み、これは非常に大切なものだと思います。
それが今まで記載されなかったのはなぜなのかという疑問もありますが、これは良い流れだと感じています。
なぜなら、名前の漢字が読めないということがなくなるからです。
私の学のなさが露呈してしまいそうな話ですが、読み方が難しい名前に出会うことが多かったです。
事例は出せませんが、「なんとお読みするのですか?」「○○さん?」「いえ、違います。○△です。」という不毛なやりとりがなくなるので、非常に嬉しく思います。
話は変わりますが、相続という観点から戸籍は非常に重要です。
相続人が誰であるかを確認すること、それに伴い相続税の計算をすることなどは戸籍を確認しなければできないことです。
冒頭にお話しした通り、戸籍を見る機会は少ないと思いますが、生前に確認しておくことも相続対策の一環となります。
(最近は、生前中に戸籍を取得し自分の家系図を作る人もいるとかいないとか…)
前述した通り、戸籍は相続人を確定するために必要なものです。
今の戸籍から順に遡り、続柄を特定し、亡くなった人の財産を相続する権利のある人を確定します。
亡くなった人の財産は、原則として相続する権利のある人全員の承諾により名義変更等の手続きをすることになります。なので、将来相続人になりそうな人(推定相続人と言います)を把握しておく上では、事前に戸籍を確認しておくことは大切です。
戸籍を確認しなかったが故に大変になった事例を二つ紹介します。
① 父親に婚外子がいた件
これは、亡くなった後の手続き相談を受けていた時のお話。
亡くなったお父様を含めた家族関係をヒアリングしたときには分からなかった相続人の存在が、
戸籍の取得によって発覚したという事例です。
亡くなられたお父様には、婚外子がいたのです。相談をしていた人たちも知らなかったようで、驚いていました。
専門家の協力のもと無事に手続きは終わりましたが、他に相続人がいたことで多くの時間と手間がかかったと話されていました。
事前にわかっていれば対策が出来たのに、とも話されていました。事前に戸籍を確認しておく重要性を感じたようです。
② 母親には前夫がおり、その前夫との間に子が二人いた件
これも同じく戸籍を取得したときに初めて母が再婚であったことがわかったお話。
相談者が相続人は自分一人だけだと思っていたら、それ以外に二人の相続人が出てきて話し合いが難航した様子。
母の前夫との子は前夫の家族から「あなたたちの生みの親は、あなたたちを捨てて出ていった」などと聞かされていたようです。
幸いにも相続人同士の話し合いで解決することが出来ましたが、多くの時間と手間がかかりました。
相談者はこのご苦労をきっかけに、ご自身の対策はしっかりやっておこうと考えるきっかけになったようです。
いかがでしたか?
この二つの事例は、いずれも生前中に対策が出来た話だと思います。
①の父親、②の母親の立場になると、今の家族には話しづらいということもあるかもしれません。
そんな時は私たちに相談してみてください。
話をもとに戻します。
戸籍に読み仮名が記載されるという話でした。
これ自体は読みやすさなど、将来的に手続きを支援したりする私たちにとってはありがたいことですが、皆様にとっては大きな影響はないでしょう。
ただし、戸籍を確認することでそこから相続対策を考えることができる良いきっかけになるかもしれません。
相続対策で、円滑な手続きを行える準備をしていきましょう!