【Q&A】「『財産をあげない』という内容の遺言は書けるのか?」

こんな質問をいただきました。

Q .私には、妻も子供もいません。両親も亡くなっています。私を含めて兄弟姉妹は5人です。その兄弟姉妹が相続人になることは理解していますが、これまでの私への扱いを考えるとどうしても兄弟姉妹に財産を渡したくないです。兄弟姉妹に財産をあげないという遺言を作成することはできますか?

 

A .直接的に兄弟姉妹に財産をあげないという記載はできないですが、兄弟姉妹以外の人にあげる内容の遺言を作ることで結果として兄弟姉妹には財産を渡さないようにすることが出来ます。

 

財産をあげないという内容の遺言は作ることが出来ない

遺言では、財産の承継方針を指定することが出来ます
例えば、自宅は兄に、金融資産は弟と妹に半分ずつに、などといった感じです。
極端な話で言えば、全財産を兄に渡すという内容も作成することが出来ます(ただし、相続人の状況によっては、遺留分の問題が発生することもあります)。

ですが、特定の人には財産を渡さないという内容を書くことはできません
その代わりに他者に財産を渡す文言を記載することで、結果として財産を渡さないようにすることが出来ます
この場合には誰に財産を渡したいかを考える必要があります。

思いつかない場合には、寄付をするという選択肢もあります。
これまでに市区町村や施設、団体など自分の興味がある、お世話になった先への寄付を記載する遺言の作成支援をしてきました。
特定の人に財産をあげたくない場合には、他の誰かにあげる内容の遺言を作成することでそれを実現することが出来ます

自身で作ってきた、守ってきた財産があればそれを引き継ぐ先を決められるのは自分です。
一緒に財産の承継先を考えてみませんか?