willingwork株式会社の守田です。
今日は付言事項について紹介します。
付言事項って何?
広辞苑によると、付言とは「付け加えていくこと。また、そのことば。付語。」とあります。
事例では「最後に一言、付言します」とあるなど、締めくくりに伝える言葉だということが分かります。
そして私たちが言う付言事項とは、「遺言に付け加えることば」を指します。
財産配分を指定するためだけの遺言であると味気ないので、付言事項を活用するというわけです。
以下、事例を挙げます。
① 付言事項がない遺言
1.私の自宅は長男の○○に相続させる。
2.金融資産は長男の○○と長女の△△にそれぞれ均等に相続させる。
(以下、省略)
② 付言事項がある遺言
1.私の自宅は長男である○○に相続させる。
2.金融資産は長男の○○と長女の△△にそれぞれ均等に相続させる。
3.付言事項
私がこの遺言を作成しようと思ったのは、自宅を一緒に住んでいる○○に相続させるためです。〇〇が一緒に住んでくれて安心でした。身の回りのお世話なども気にかけてくれてありがとう。今後も安心して住めるようにこの家を相続させるので、大切に守って行ってください。
△△、毎週電話をくれていたね。離れていても声が聞けて嬉しかったです。そんな優しい△△に相続させる財産が少なくて申し訳ないです。家を○○に守ってもらうのでこのようになりました。決して差別をするわけではないことを理解してください。
二人とも私の子であり変わらず愛情をかけてきました。私亡き後も二人は仲良く暮らして行ってください。
(以下、省略)
どうですか?
①は言葉が並んでいるだけ、冷たいという印象を持たれるかもしれません。
世間一般で作成されている遺言のうち、大半はこのようなものです。
その反面②は、付言事項で言葉に気持ちを込め、温かい印象があると思いませんか。
せっかく遺言を作成するのであれば、こちらのような遺言を作るべきです。
相続する側からしても、付言事項があった方が良いです。
①の遺言を見た長男、長女の気持ちはどうでしょう?
なぜこうしたのかが分からないので、モヤモヤするかもしれません。
長女は、なぜ自分は少ないのかと悲しむ可能性もあります。
②の遺言を見た長男、長女の気持ちはどうでしょう?
遺言を書くに至る経緯やこの配分にした理由が明確に記載されており、
かつ遺言者も悩みに悩んでこの遺言を作ったということが理解できる内容となっています。
長女は、自分の取り分を少なくされたと悲しむことはなくなります。
付言事項が与える印象や効果などを理解してもらえたと思います。
よって、遺言を作る時には付言事項も記載することをお勧めします。
私たちはこの付言事項を重視しています。良い付言事項は適切なヒアリングから生まれます。
なぜ遺言を作るのか、どうしてこのような配分にするのかなどをしっかりとヒアリングさせていただき、
その想いを付言事項に込めていきます。
こうすることで、温かみがあり、遺言者や相続人の心に突き刺さる付言事項を作成していくことができるのです。
今月に遺言を作成したお客様。付言事項の案を見せた時に、
「気持ちを全て代弁してくれてありがとう。これからは、安心して寝られるよ。」
と泣きながら話していただきました。
私たちが得意なのが「相続を争族にさせない」ための遺言作成です。
これらは付言事項を活用することで実現可能だと考えます。
あなたも、私たちと一緒に気持ちのこもった付言事項がある遺言を作成してみませんか?